結合質カーボンの特性
金属や樹脂材料にカーボンを配合して、加圧成型をしたり、焼成して作られている材料を「結合質カーボン」と言われています。 樹脂にカーボンの持つ、耐熱性や通電性を持たせたり、カーボンに金属のような硬さを付加させることが出来ます。
結合質カーボンの種類
銅結合質カーボン材料(金属結合)
電車のパンタグラフには、銅結合質カーボンが使われています。カーボンの素材は「一次焼成材」が使われています。カーボンの耐熱性、潤滑性に、銅の機械的強度,電気部品としての導電性を付加しています。 摩擦部品としての潤滑性・耐摩耗性に優れており、電車の架線の電線を傷めず、仕様が出来るようにされています。 一次焼成したままの多孔質炭素材料は抵抗率が30μΩm程度の物です。 カーボン単体で使うよりも銅結合質は、強度は約2倍、導電性は約10倍に高められています。炭素繊維を用いた炭素繊維強化炭素複合材(C/Cコンポジット)に銅を配合した、より高強度の材料も開発されています。
主な使用用途
電車のパンタグラフ
カーボンブラシ
樹脂結合質カーボン材料(樹脂結合)
テフロンやフェノール、フランなどを使った、樹脂結合質材料があります。フェノール樹脂は主に耐熱性と耐酸性の用途で使われます。 フラン樹脂は、耐アルカリ性の用途で使われます。 テフロンは、酸・アルカリのどちらにも強い分高価な為、食品や公共用や、航空宇宙分野など付加価値の高い場所で使われることが多い材料です。
主な使用用途
食品搬送用摺動部品
ケミカルポンプ
ブラシ等の摺動部品
断熱材
半導体製造装置部品