炭素(黒鉛グラファイト)の製造販売の関西カーボン加工株式会社の素材紹介内の「含浸処理黒鉛材料の特性」のページです。カーボン素材の強度アップや、耐酸化摩耗性を向上させる為に行われる含浸処理の種類や特徴を紹介いたします。

含浸処理黒鉛材料の種類


リン酸アルミナ含浸処理

元々、金属を溶かす溶鉱炉の電極や樋などの、耐摩耗性を向上させる用途で主に使われていました。一般のカーボン材料では酸化摩耗が激しい場合、リン酸アルミナ含浸で長寿命化が出来る場合がございます。リン酸アルミナの融点は1,800℃となっております。 ご使用になられる環境で、リン酸アルミナが使用可能な用途がございましたら、弊社オリジナルのリン酸アルミナ含浸材料で対応をさせて頂きます。

主な使用用途

歯科用の長寿命ルツボ

船舶、工場用エンジン等の排気ガス用ブッシュ

金属の鋳造部品(攪拌羽根、湯受、ノズル、ストッパー、樋)

リン酸アルミナ含浸処理

樹脂含浸処理

黒鉛材料に主に使用される樹脂材料は「フラン」と「フェノール」の2種類になります。「フラン樹脂」は主に、アルカリ性に耐性があり、「フェノール樹脂」は耐熱、フラン樹脂が使えない有機酸に耐える場所で使われています。弊社では、東日本大震災時に、素材メーカーさんが対応できなくなったフェノール樹脂含浸材料を使った一部の製品を、 エンドユーザー様にご評価を頂いた上で納品をさせて頂き、お手伝いさせて頂いた実績があります。

主な使用用途

ポンプの液中軸受け・シールリング・パッキン・ブッシュ・ブレード

圧縮機のピストン部のロッドパッキン

ケミカルポンプのシール部品等

樹脂含浸処理

金属含浸処理

カーボンの自己潤滑性を更に高める際に、金属含浸処理が施されます。例えば、通電性を上げる場合は「銅含浸」を施し、強度をアップさせる際には「アンチモン含浸」を施したカーボン材料があります。弊社は、機械用部品の加工を得意としており、金属含浸材料の加工も得意としております。

主な使用用途

電車のパンタグラフの擦り板

車両・家電品・機械・電動工具用カーボンブラシ

機械の高加重ブッシュ

コンベア等の稼動部接続用ジョイントシール

ロータリーエンジン用アぺックスシール

真空ポンプ・ロータリーコンプレッサー等のベーン

バンドソーの刃物の物振れ止め

金属含浸処理