カーボンファイバー素材の炭素繊維ヤーン材の特性
炭素繊維ヤーン材
炭素繊維には、PICH系とPAN系の2種類があります。それぞれの繊維に特徴があります。
ピッチ系とパン系で、クロスの見た目が違います。
それぞれの素材の紹介をいたします。
PICH系炭素繊維
主に、石油系の原料より作られている炭素繊維になります。
素材が石油系で、PAN系の繊維に比べるとウール(羊の毛)のような肌触りの素材です。
撚り糸にして、一本の繊維として販売されています。

PAN系炭素繊維
アクリル繊維を焼成、炭化することで作られる炭化繊維を紡織した糸です。
PAN系の素材は、PICH系に比べると、ツルツルとした長繊維の纏まりになっています。
6K=6,000本、12Kという撚り糸で販売されています。

炭素繊維の特徴
今の生活の主流として使われている、FRPの原料のグラスファイバーに比べて、
耐熱性、通電性、薬品反応耐性、低熱膨張率、自己潤滑性とあわせて、機械的強度(高比強度、高比弾性率)に優れた素材です。
炭素繊維の用途
炭素繊維単体で作られるのは、シートやクロス、断熱材があります。
糸単体で使われる事よりも、シートやクロス、マットにしたり、粉砕したミルド・チョップド材や、他材料の補強材として使われることが多い素材です。
PAN系の炭素繊維は、一本の長繊維が纏まっている事で、高強度・高弾性な特徴に優れていることから、
航空宇宙部品や産業装置部品の構造材や、スポーツ・レジャー用品(スキー板・テニスのラケット・自転車部品など)に使用されております。
PICH系の炭素繊維は、元となる原料や撚り糸の形により、引張弾性・曲げ弾性が異なる糸が作られます。
撚り糸から作られるシート(マット)は、工事現場の溶接時などのスパッタによる火災を防ぐ防火シートなどの用途で使われます。
短く切断された、チョップ・ミルドの炭素繊維は、プラスチックの原料に配合されると、静電気や耐熱性を付加する用途に使われています。
炭素繊維の処理温度
通常は、空気中で200~300℃の温度域で熱処理され耐炎化繊維を作ります。
その後、酸素のない状態で1000℃以上の温度で焼いて、炭素繊維が作られています。
炭素繊維にも、炭素質・黒鉛質があります。
焼成温度の違うので、耐熱性や不純物の含有量が違う素材が出来ます。