黒鉛とは」のページでは、黒鉛グラファイトの原料を中心に、用語を紹介いたしました。「炭素質・黒鉛質の違い」では、弊社のメインの取扱い材料である黒鉛グラファイトの焼成温度の違いによる、 炭素質・黒鉛質の違いを紹介致します。

炭素質と黒鉛質と炭素黒鉛質

炭素質と黒鉛質と炭素黒鉛質には、材料に掛ける焼成温度に大きく影響します。

炭素質とは

不純物を含む無定形炭素と、グラファイトに至る間の中間材料の初期の段階です。炭素原子を含む有機化合物は、約900度位で材料中の水素や炭酸水素ガスが燃焼(気化)します。更に熱を加え1,300~1,400度になると、炭素原子がほぼ100%に近い無定形炭素が得られます。この温度域で得られる材料が「炭素質」のカーボン材料です。備長炭の焼成温度域が、大よそ1,000度程と言われており、もう少し高い焼成温度です。炭素質は、まだ材料が硬く、黒鉛(鉛筆の芯)の様な滑らかさはありません。

炭素黒鉛質とは

炭素黒鉛質は、大よそ1,800~2,100度程度までの焼成温度で作られた材料です。炭素質の硬さも残りつつ、黒鉛質の滑りの良さが出てきている状態です。弊社の特殊炭素製品の業界で、セミグラファイトと言われている材料が、炭素黒鉛質です。

黒鉛質とは

黒鉛グラファイトの1枚の層を、グラフェンといいます。炭素原子がグラフェンの分子構造に結晶構造が発達する事を黒鉛化といいます。焼成温度が2,100度を超えたあたりから、黒鉛化が始まります。黒鉛質のグラフェン構造は層間強度が弱く剥がれやすい特性があります。グラフェンの層の方向に対しては、熱伝導率が高い材料です。

黒鉛質の結晶構造

炭素の物質の状態

物質の三態とは(固体、液体、気体)で分けられております。通常、物質を冷やすと固体、熱していくと液体になり、いずれ気体になります。炭素(カーボン・黒鉛)は、液体という状態は存在せず、一般的に言われいる融点(沸点)が存在しません。 大気(酸素がある状態)では、おおよそ350~450℃の温度域で、空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素になって昇華をいたします。


「黒鉛とは」ではグラファイトの材料を知る上で必要となる用語を紹介させていただきました。この用語が判れば、次の黒鉛の製造方法がより理解しやすくなります。次の「黒鉛の製造方法」では、黒鉛ブロックの製造方法を紹介致します。