ファインセラミックス関連用語

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セラミック入門のファインセラミックス関連用語

セラミックス関連用語

カーボンを含めた人工的に作り出されたセラミックの用語集です。
1,000度を越える温度域で使われる事が多いセラミックは、特殊な用途になります。
特に高温熱処理炉や半導体用途では、専門用語や業界用語が沢山あります。
そういったセラミックス関連用語をまとめたページとなっております

「JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語」より

ファインセラミックス(fine ceramics)
目的の機能を十分に発現させるため、化学組成、微細組織、形状及び製造工程を精密に制御して製造したセラミックス。
酸化物セラミックス(oxide ceramics)
非金属元素として酸化を含む酸化物から成るセラミックス。酸化物セラミックスには、単純酸化物、複酸化物、けい酸塩、りん酸塩などの酸素酸塩がある。それぞれ種類も多く、広範囲の用途がある。
非酸化物セラミックス(non oxide ceramics)
窒化物(Si3N4、AlN、BNなど)、炭化物(SiC、TiC、B4C、WCなど)、ほう化物(LaB6、TiB2、ZrB2など)、硫化物(CdS、MoS2など)、けい化物(MoSi2)及び炭素のように非金属元素として酸素を含まない化合物(元素)から成るセラミックス。
炭化物セラミックス(carbide ceramics)
物質を構成する主要構成成分の非金属元素が炭素から成る化合物によって構成されるセラミックス。炭化けい素(SiC)が代表的な材料。
窒化物セラミックス(nitride ceramics)
非酸化物セラミックスの代表の一つで、Si3N4、AlN、TiN、BNなど窒素を非金属構成元素として含む化合物から成るセラミックス。
ニューガラス(new glass )
非結晶物質のもつ機能のうち、特定の機能に注目して、その機能を最大限に発揮するように化学組成、純度、微細構造、形態を制御して製造された無機質の非結晶材料及び非結晶材料の結晶化によって得られる材料。
ニューカーボン(new carbon )
原料及び製造工程を目的に合わせて制御することによって、高度な機能を付与し、新しい用途の開発を意図する炭素材料及び炭素複合材料。
ニューダイヤモンド(new diamond )
原料及び製造工程を目的に合わせて制御することによって、高度な機能を付与して人工的に製造されたダイヤモンド。炭素と高温と高圧に保って変態させる高温高圧法とメタン及び水素の混合ガスから気相析出させる気相合成法とがある。cBNをこの中に含むこともある。
複合材料(composite material )
異質又は異形の材料を組み合わせて単体ではもち合わせない新規な特性が付与された材料。構造材料への適用を目的とするものが多く、分散相の形態によって繊維強化型複合材料と粒子分散強化型複合材料に分類され、マトリックスの種類によって、MMC(Metal Matrix Composite)、CMC(Ceramics Matrix Composite)などに分けられている。
傾斜機能材料(functionally gradient material )
材料内部の成分組成及び微視組織の傾斜分布化によって、新しい機能を発現させる材料。
サーメット(cermet )
セラミックスと金属との複合材料。一般的なものに、元素周期律表IVA、VA、VIA族遷移金属の炭化物をニッケル、コバルトを主とする金属で結合した焼結硬質合金がある。
ナノコンポジット(nanocomposite )
数nmから数十nmの分散相を、母相の粒界だけではなく粒内に分散させ、高度に組織制御がなされた複合材料。
機能性セラミックス(functional ceramics )
セラミックスの機械的、熱的、化学的、光学的、電気的、生体的などの性質を利用した高度な機能を発現するセラミックス。
インテリジェントセラミックス(intellgent ceramics )
環境条件に知的に応答して機能を発現するセラミックス。
アモルファスセラミックス(amorphous ceramics )
セラミックスを構成する原子又はイオンが無秩序に配置した、非晶質のセラミックス。従来のガラスのような結晶化しにくい物質だけでなく超急冷して得られるものや気相法で合成するものがある。
低温焼結セラミックス(low temperature sintering ceramics )
誘電体材料、絶縁体材料などで、その性能の劣化を伴わずに、焼結温度の低下を図り、低い温度で焼結したセラミックス。チタン酸バリウム系材料に対し、低温で焼結する鉛系ペロブスカイトなどはその一例。広義には、超微粒子などによって、通常よりも低い温度で焼結させたセラミックスも含む。
応力緩衝材(buffer layer )
セラミックスと金属の接合やコーテイングに際し、両者の熱膨張差による応力に起因して、セラミックス側に発生する亀裂を防止し、強固に結合させる目的でその界面に介在させる熱応力緩和用のインサート材。
微粒子(fine particle )
バルク体としての性質を保持し、表面によって現象が支配される粒子で、粒子径は、0.1~数ミクロンのものをいう。
超微粒子(ultrafine particle )
粒径が0.1ミクロン程度より小さい粒子。比表面積が大きく、ミクロンオーダーの粒子やバルク状の材料に比べ、焼結温度の低下、表面の高活性、単磁区の形成、微細孔の形状、紫外線の吸収などに特異な性質をもち、電気的、磁器的、光学的性質、反応性などのどの点にも特徴がある。
ウイスカ(whisker )
ひげ結晶ともいわれ、含まれない欠陥の数が非常に少ない繊維状単結晶。SiC、Si3N4などのウイスカは金属やセラミックス複合材料の強化材として利用される。
構造用セラミックス(structural ceramics )
セラミックスの機械的、熱的及び化学的な性質を主に利用し、各種構造部品として使用される材料。耐熱、高強度材料、超硬質材料、高靭性材料、耐熱衝撃性材料、断熱材料などがある。
高強度セラミックス(high strength ceramics )
高い外力に抗する強さを備えたセラミックス。耐熱合金の使用限度以上のものが特に有用で注目される。窒化けい素、炭化けいそ素、部分安定化ジルコニアなどがある。
高靭性セラミックス(toughened ceramics )
材料に存在する欠陥を除き、応力集中を避け、応力緩和をおこしやすくし、破壊に対する抵抗力を高めたセラミックス。部分安定化ジルコニア、窒化けい素、セラミックス基強化複合材料などがその代表的材料である。
マシナブルセラミックス(machinable ceramics )
機械加工、特に切削加工の容易なセラミックス。材料に含有される結晶の著しいへき開性を利用したもの(マイカセラミックス)、粒界の選択的破壊性を利用したもの(チタン酸アルミニウムセラミックス)などがある。
多孔質セラミックス(porous ceramics )
気孔率が大きいセラミックス。閉気孔を含むものは断熱材、軽量骨材などとして用いられ、開気孔を含むもには吸着材、触媒単体として用いられる。
低膨張性セラミックス(low thermal expansion ceramics )
熱膨張係数の小さいセラミックス。コーディエライト、リチウムーアルミノけい酸塩、チタン酸アルミニウム、りん酸ジルコニウムなどがこれに属する。
赤外線放射性セラミックス(infrared radiation ceramics )
赤外線波長帯(約0.75~1000マイクロメートル)の電磁波を多く放射するセラミックス。特に遠赤外線(波長2~30マイクロメートル)を放射するセラミックスは工業加熱に利用され、MnO2、Fe2O3、CuO、CoOなどを添加したコージェライトやチタン酸アルミニウム、炭化ケイ素などがある。
電子セラミックス(electronic ceramics )
セラミックスの特徴である電気的電子的機能(電気絶縁性、誘電性、圧電性、焦電性、半導性、磁性など)を利用し、各種電子機器部品として使用されるセラミックス。
絶縁セラミックス( insulating ceramics )
電気導電率がある値(約10-8Ω-1cm-1)以下のセラミックス。電力輸送用電線を固定する碍子やIC基板など幅広く利用されている。
誘電セラミックス(dielectric ceramics )
電気抵抗の高い材料を電場下に置くと、その材料中の種々の電荷担体が元の位置からごくわずかだけ移動し、正負両電極が互いに逆方向へ片寄って生じる分極を利用した機能をもつセラミックス。
圧電セラミックス( piezoelectric ceramics )
印加圧電の作用によって、結晶がひずむ性質をもつセラミックス。機械的エネルギーと電気的エネルギーとの相互変換に利用される。代表的な圧電体にはペロプスカイト型構造のBaTiO3、PZT、水晶などがあり、超音波振動子、アクチュエーターなどへの応用がある。
焦電セラミックス(pyroelectric ceramics )
電気的自発分極をもつために、外部電場を加えなくても、温度を変化させるだけでその表面に正負の電荷を発生する性質(焦電性)をもつセラミックス。セラミックスでは分極操作によって自発分極を持たせる必要がある。温度センサ、赤外線センサなどに利用され、代表的なものにはPZTがある。
半導体セラミックス(semiconductive ceramics )
半導体的な電気的性質を示すセラミックス。格子欠陥や添加物を制御して製造する必要がある。主にZnO、BaTiO3、SnO2、NiOなどをベースとして作られる。
イオン伝導セラミックス(ionic conductive ceramics )
電荷担体がイオンである伝導性セラミックス。固体電解質セラミックスともいう。Na+伝導のβ-アルミナやO2-伝導のジルコニアがよく知られている。
超伝導セラミックス(superconductive ceramics )
ある温度以下で電気抵抗がゼロになり、同時に反磁性を示す性質をもつセラミックス。R-Ba-Cu-O系(R:希土類元素)、Bi-Sr-Ca-Cu-O系、Tl-Ba-Ca-Cu-O系などの酸化物がある。これらの酸化物は、従来の金属超伝導材料に比べ著しく高い臨界温度をもつ。
磁性セラミックス(magnetic ceramics )
酸化鉄を主成分とする自発磁化をもつセラミックス。代表的なものに、軟磁性体のスピネル型、ガーネット型及び硬磁性体のマグネトプラムバイト型構造の化合物がある。
光学セラミックス(opitical ceramics )
光学的機能(透光性、屈折性、反射性、電気光学効果、磁気光学効果、光導電性、偏光性、発光性など)に優れたセラミックス。
透光性セラミックス(translucent ceramics )
透光性に優れたセラミックス。アルミナや(Pb、La)(Zr、Ti)O3、Y2O3-ThO2、MgAl2O4などの酸化物系のほか、窒化物、炭化物及び硫化物系セラミックスにも透光性をもつものがある。
バイオセラミックス(bioceramics )
生体親和性がよく、人工骨、人工関節、人工歯根などとして用いられている生体内に埋め込まれて使用されるセラミックス。生体内で不溶性で安定な生体不活性なものと、分解、析出、反応などを起こす生体活性なものとがある。
アルミナ(alumina )
酸化アルミニウム(Al2O3)。結晶相としてα-、γ-、η- などがあるが、一般にα-アルミナをいう。α-アルミナは最も安定なコランダム構造を示す。融点2050℃、電気絶縁性、耐熱性に優れる。工業用アルミナとしては、アルミナ含有量が80%から100%近いものまである。IC基板、耐熱材料、光学材料など広い用途がある。α-アルミナの鉱物名がコランダム。
サファイア(sapphire )
α-アルミナの一種。天然に産するものは青から藍色を呈するが、人造のサファイア単結晶の無色のものも含まれる。
ジルコニア添加アルミナ(zirconia toughened alumina )
ジルコニアの相転移による体積変化や形状変化などの性質を利用して、強度や破壊靭性を改善するためにジルコニアを加えたアルミナ。
ジルコニア( zirconia )
二酸化ジルコニウム(ZrO2)。単斜晶系、正方晶系及び立方晶系の3種の多形がある。それぞれの転移温度は、約1100℃及び2370℃であり、融点は2680℃。正方晶系から単斜晶系へ相転移には約5%の体積膨張を伴い、焼成後の冷却中に亀裂が発生するため、一般には、CaO、MgO、Y2O3などを固溶させ、安定化ジルコニア(FSZ)又は部分安定化ジルコニア(PSZ)として用いる。
安定化ジルコニア(fully stabilized zirconia )
ジルコニアにCaO、MgO、Y2O3などを固溶させ、低温まで立方晶の構造を保持したジルコニア。通常、FSZと呼ぶ。純粋なZrO2は低温から高温に向かって単斜晶系、正方晶系、立方晶系の相転移を生じるが、これらの成分を固溶させると立方晶の安定な領域(組成、温度)が広がり、温度変化に対して転移することのない安定な立方晶が得られる。安定化ジルコニアは耐火物、れんが及びコーティング材として使用する。固溶によって酸素欠陥が生じる固体電解質となる。
部分安定化ジルコニア(partially stabilized zirconia )
少量の安定化材を加えて、焼成して得られた立方晶又は単斜晶と正方晶からなり、高い靭性と高強度で特徴づけられ、通常、PSZと呼ぶ。その中で特に結晶粒径が小さく正方晶単相からなるものを正方晶ジルコニア多結晶体(tetragonal zirconia polycrystal)と呼ぶこともある。
アルミナ添加ジルコニア(alumina added zirconia )
部分安定化ジルコニアなどのジルコニアを主成分とする主相にアルミナを分散させることによって、ジルコニアの粒成長を抑制し、強度や破壊靭性を更に改善したジルコニア。
シリカ(silica )
二酸化珪素(SiO2)。結晶性物質として、石英、クリストバライト、トリジマナイトなどの多形が存在する。石英ガラスは、半導体製造や光ファイバとして利用されている。非晶質二酸化珪素の意味で用いられることもある。
マグネシア(magnesia )
酸化マグネシウム(MgO)。結晶はペリクレース。炭酸塩、硝酸塩、水酸化物などを熱分化して得られる。我が国では、海水中のわずかなMg源から製造する。低温で焼成したものを軽焼(又は仮焼)、高温で焼結したものを硬焼(又は重焼、死焼)、マグネシアという。塩基性耐火物、炉のスタンプ材、るつぼなどに利用。
カルシア(calcia )
酸化カルシウム(CaO)。融点は2572℃。石灰石を加熱分解して造る。低温で焼成したものを軽焼、高温で焼成したものを硬焼と呼ぶ。セメント工業に必須の材料。石灰工業、カーバイト工業などに広く利用されている。ドロマイト(MgCO3・CaCO3)は塩基性耐火物として使用。
ベリリア(beryllia )
酸化ベリリウム(BeO)。高い熱伝導性と電気絶縁性に優れ、基板やパッケージに用いる。
酸化亜鉛(zinc oxide )
化学式ZnOで示す。紅亜鉛鉱として天然に産出。比重5.78、ウルツ鉱型と岩塩型の2種類の多形をとる。常圧下では、1720℃で昇華。Bi2O3などを添加した焼結体は非直線的な抵抗変化を示し、バリスタ、センサなどを利用される。また、古くから顔料としても利用。
酸化鉄(iron oxide )
鉄の酸化物で酸化第一鉄(FeO)、四三酸化鉄(Fe3O4)、酸化第二鉄(Fe2O3)などがある。FeO:自発磁化をもつので磁性酸化鉄ともいう。逆スピネル型構造、比重5.16、融点は1538℃、Fe2O3:α型とγ型がある。前者はコランダム型構造をもつ赤色粉末。宝石研磨用、顔料などに用いられている。後者はマグヘマイトと呼ぶ。針状微粒子化して、単磁区で異方性をもたせて保磁力に富む磁器テープに利用する。
ムライト(mulite )
ムライト(3Al2O3・2SiO2)。融点1850℃で共有結合性が高い。多結晶質は耐熱材料として用いる。高純度ムライトは高温で耐クリープ性に優れる。
スピネル(spinel )
狭義にはMgAl2O4からなる等軸晶系の鉱物をいう。比重3.55、硬度8。天然のスピネルで濃赤色の良質結晶は宝石になる。MgAl2O3と同じ結晶構造をスピネル型と呼び、多くの化合物が存在する。磁性材料としてのフェライト(NiFe2O4、MnFe2O4など)、Mn-Co-Ni系サーミスタ材料、顔料などがよくしられている。
コーディエライト(cordierite )
2MgO・2Al2O3・5SiO2組成をもつ斜方晶の鉱物で、天然物の多くは少量の鉄と水を含む。広義には、六法晶のα型、斜方晶のβ型、及びμ型を総称して用いられる。熱膨張係数が非常に小さいので耐熱衝撃性に優れている。主に自動車用排ガス浄化用触媒担体として使用。
アパタイト(apatite )
化学式Ca10(PO4)6(F,Cl,OH)2で示す化合物。天然に産するものはリン灰石ともいう。主に、水酸アパタイトCa10(PO4)5(OH)2が合成され、生体用セラミックスとして利用。
雲母(mica )
XY2-3(Si,Al)4O10(OH,F)2[XはK、Ca、Naなど、YはMg、Al、Li、Fe、Mn、Tiなど]で表される鉱物。(001)面に強いへき開性をもつ。
チタン酸鉛(lead titanate )
化学式PbTiO3で示す化合物。ペロブスカイト型構造をとり、室温では無色の正方晶系結晶。強誘電性の物質、圧電材料として利用。
チタン酸バリウム(barium titanate )
化学式をBaTiO3で表される、ペロブスカイト型構造の化合物。キューリ点120℃付近で急に誘電率が高くなり10000を越える。コンデンサ材料及び圧電材料として利用する。
タンタル酸リチウム( lithium tantalate )
LiTaO3の組成をもつLiNbO3型構造(三方晶系)の強誘電性の化合物。単結晶はレーザ用非線形光学材料、ピエゾ素子、表面波フィルタなどに用いる。
ニオブ酸リチウム(lithium niobate )
組成をLiNbO3で表される三方晶系の化合物。1210℃にキュリー点をもつ強誘電体である。圧電体、焦電体などとして用いる。
鉛系リラクサ(lead based relaxor )
酸化物プロブスカイト、A(B1,B2)O3のAサイトに鉛を含み、散漫な相転移を示す強誘電体物質。
PZT(PZT )
ペロブスカイト型構造のジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体でPb(Zr,Ti)O3の略称。優れた圧電性をもち、Zr/Ti比によって特性が変化する。超音波振動子、アクチュエータなどに応用。
PLZT(PLZT )
PZTのPbの一部をLaで置換した(Pb,La)(Zr,Ti)O3セラミックスの略号。透光性に優れ、電気光学効果を示す。光メモリ、ディスプレイ、光シャッタなどへの応用がある。
フェライト(ferrite )
狭義には亜鉄酸(H2Fe2O4)の金属塩を指していたが、最近では鉄を含む複合酸化物の総称。結晶構造によって、①スピネル型フェライト(MFe2O4)、②ペロブスカイト型フェライト(MFeO3)③ガーネット型フェライト(M3Fe5O12)、④マグネトプラムバイトフェライト(MFe12O19)に分類される。磁性材料として重要な位置を占める。
バリウムフェライト( barium ferrite )
化学式BaFe12O19で示されるマグネトプラムバイト型フェライト。代表的な永久磁石材料である。
マンガンジンクフェライト(manganese-zinc ferrite )
Mn、Znを含むスピネル型フェライト、高透磁率、高磁束密度の磁性材料。低損失の磁心の代表的な材料である。単結晶フェライト磁気ヘッド用として用いる。
ソフトフェライト(soft ferrite )
ヒステリシス曲線が細く保磁力が小さい。外部の弱い磁界に対しても敏感に磁化されるフェライト。
ハードフェライト(hard ferrite )
ヒステリシス曲線が幅広く、保磁力が大きい。外部磁界に対し磁化されにくいフェライト。
カーボン(carbon )
原子記号C。原子番号6、原子量12.011の固体元素。天然に単体として産するものにダイヤモンドと天然黒鉛の2種の同素体がある。人工的には有機化合物の熱分解によってコークス、カーボンブラックとして生成。炭素製品としてはダイヤモンド、黒鉛のほかに、ガラス状炭素、気相分解炭素、炭素繊維などがある。
グラファイト(graphite )
炭素の同素体の一つ。日本名では黒鉛又は石墨と呼ばれる。六方晶系に属する層状構造をもつ。耐熱、耐食、導電材料など広い用途をもつ。
パイロリティックグラファイト(pyrolytic graphite )
炭化水素ガスを高温基材に接触させて熱分解によって沈積した炭素が黒鉛構造をとって、機密に配列したもの。核燃料の被覆材、熱遮蔽材、ヒータ、冶金用るつぼなどに使用。
ダイヤモンド(diamond )
炭素単一原子が最密構造に配列した立方晶の結晶体。自然界で最も硬く、屈曲率が大きく、熱伝導率が高いなどの優れた性質を持つ物質。宝石、切削工具、放熱基板として利用する。人工的には、超高圧下で合成する。常圧下での気相合成法もある。
炭素繊維(carbon fibers )
高温度で熱処理された炭素を主成分とする繊維。炭素が黒鉛化したものは黒鉛繊維とも呼ばれる。PAN系ピッチ系に大別される。金属、プラスチック及びセラミックスの強化として用いられる。
炭化けい素(silicon carbide )
化学式SiCで示す化合物。共有結合性が高く約2830℃で分解。比重3.22,熱膨張係数は5.5×10-6/℃。高熱伝導率と良好な耐摩耗性を示す。半導体を利用して発熱体やバリスタ。メカニカルシール、耐火物などに利用される。高強度の構造用部品を対象にも開発が進行中。また、シリコンウエハ-の熱処理用ジグとしても利用。
炭化チタン(titanium carbide )
化学式でTiCで示す化合物。立方晶系で比重4.94、モース硬度が8~9の硬質物質。優れた耐摩耗性を示し、切削工具材として利用。通常、TiC-Ni-Mo系や、WC-TiC-Co系の焼結体が主でサーメットと呼ぶ。
炭化タングステン(tangsten carbide )
化学式WCで示す化合物。立方晶系で比重15.50と重く、モース硬度9の硬い物質。高強度で優れた耐摩耗性を示し、切削工具材として利用する。WC-Co系が主成分の焼結体を超硬合金と呼ぶ。
窒化ホウ素(boron nitride )
化学式BNで示す化合物。機械加工の出来るhBN、硬い物質としてcBNのほか、γBN、wBNなどの多形がある。炭素とよく似ている。hBNは快削性を示し、耐熱及び耐食材に使用する。cBNは高圧合成され、工具材として用いる。
立方晶窒化ホウ素( cubic boron nitride )
cBNとも呼ぶ。ダイヤモンド構造をもち、その基本的性質もダイヤモンドに酷似している。通常超高圧法のよって合成し、切削及び切削工具として利用。
パイロリティックボロンナイトライド(pyrolytic boron nitride )
BCl3などのハロゲン化ほう素とNH3を原料として、2000℃前後の高温減圧CVD法によって気相から析出される層状のBN成形体。GaAsなどの化合物半導体のるつぼやボードとして用いる。
窒化アルミニウム(aluminum nitride )
化学式でAlNで示す。六方晶系、ウルツ鉱型構造で比重は3.26。2200℃前後で分解する。熱伝導率が高く電気絶縁性に優れる。IC、LSIの基盤/パッケージやヒートシンクに適用。緻密化にはY2O3、CaOなどの焼結助剤を使用する。
窒化けい素(silicon nitride )
化学式Si3N4で示す化合物。α型、β型の2相が存在する。共有結合性が高く1気圧下では1900℃で分解する。比重3.19、熱膨張係数3X10-6/℃前後。Y2O3-Al2O3を加えた焼結体は強度と靭性に優れる。エンジン部品などの構造用材料として利用。
サイアロン(sialon )
Si-Al-O-N系化合物の総称。Si,Nに対してAl,Oが置換型固溶したβ-サイアロンと、この置換型固溶及び結晶格子間に特定な金属原子が侵入型固溶したα-サイアロンとがある。特性は窒化けい素のもつ低熱膨張率、高強度に加え、耐食性も優れるが、靭性が低い。
窒化チタン(titanium nitride )
化学式TiN、比重5.4、立方晶で融点が2950℃の硬質化合物。サーメット工具に分散したり、超合金の上に被覆して用いる。黄金色を呈するので装飾用にも使用。
ほう化チタン(titanium boride )
化学式TiB2、融点3225℃、高い硬度をもち、導電性に優れた物質。特に高硬度を生かして耐摩耗部材として用いる。
ほう化ジルコニウム(zirconium boride )
化学式ZrB2。比重6.09、融点3245℃の硬質物質。金属への耐食性も優れることから耐摩耗部材や鉄、アルミニウム溶融金属部材として用いる。
ほう化ランタン(lanthanum boride )
化学式LaB6、熱電子放射性に優れる化合物。単結晶を加工し、精度の良い電子放射体として電子顕微鏡やVLSIの回路製作に利用する。
けい化モリブデン(molybdenum silicide )
MoとSiの金属間化合物。二けい化モリブデン(MoSi2)が実用化されている。MoSi2:融点1870℃、電気抵抗は常温で22μΩcm。1700℃まで空気中で使える発熱体、IC回路製作マスク用などに使用。
シリカガラス(silica glass )
シリカの網目状構造だけによって構成され網目修飾イオンのないガラス。純けい石の融解やSiCl4の高温気相分解で合成する。膨張率が小さく、急熱急冷に耐える。半導体分野で使用される高純度シリカガラスは、Al、B、Pなどの不純物の含有量が1ppb以下である。
ソーダ石灰ガラス(sode lime glass )
シリカ、ソーダ及び石灰を主成分とするガラス。ソーダ灰、石灰石及びけい砂を主原料として溶融法によって生産する。耐アルカリ性が低いという欠点があるが、加工しやすい安価であるので表面にシリカコートを行ってアルカリの溶出を防止したものは基板ガラスとしても使用される。
ほうけい酸ガラス(borosilicate glass )
シリカと酸化ほう素(B2O3)によって網目状構造が形成されているガラス。低アルカリのほうけい酸ガラスは膨張率が小さく、比較的硬く、耐食性に優れているので、理化学用ディスプレイ素子の基板ガラスにも適する。
アルミノけい酸ガラス(aluminosilicate glass )
シリカとアルミナによって網目状構造が形成されているガラス。軟化点が高いので耐熱性が必要な用途に適している。CaOとB2O3を加えたEガラスが最も大量に生産されている。アルミノけい酸ガラスで耐酸性が低いという欠点をもつが、電気絶縁性が高くガラス繊維の代表的な組成となっている。
りん酸ガラス(phosphate glass )
主に酸化リンによって網目状構造が形成され、網目修飾イオンとしてカルシアやアルカリなどを含有するガラス。カルシア-酸化リン系の結晶化ガラスは生体活性ガラスとして実用化が進められている。Ndをドープしたりん酸塩ガラスは、レーザ損傷に強く核融合用レーザガラスとして有望である。
鉛ガラス(lead glass )
酸化鉛とシリカを主成分とするガラス。高屈折力・高分散の光学ガラス、X線遮へい用ガラス、クリスタルガラスなどに用いられる。
オキシナイトライトガラス(oxynitride glass )
酸化物ガラス中の酸素原子の一部を窒素原子で置き換えたガラス。元のガラスに比べて弾性率、硬さ、軟化温度などが高くなり、化学的耐久性も改善される。窒素含有率は2~15重量%程度である。
カルコゲナイドガラス(chalcogenide glass )
硫化物、セレン化物、テルル化物又はこれらの混合系から成る非酸化物ガラス。導電性、赤外線透過性などの特徴がある。メモリ材料、赤外光ファイバ材料として注目されている
ハロゲン化物ガラス(halide glass )
ハロゲン元素を陰イオンとして含有するガラス。ふっ化ジルコニウムとふっ化バリウムを主成分とするふっ化物ガラスは化学的耐久性が比較的よく、赤外線をよく通すので赤外光ファイバとして開発が進んでいる。
無アルカリガラス(non-alkali glass )
Na、Kなどのアルカリ金属を含まないガラス。半導体と接触するガラスでは、アルカリの存在は半導体の劣化の原因となるので無アルカリガラスが望まれる。
無鉛ガラス(non-lead glass )
鉛を含まないガラス。一般に封着用のガラスには融点を低くするため酸化鉛を加えているが、還元性雰囲気で使用すると着色するので、こうした用途には無鉛ガラスが使用される。
低融点ガラス(sealing glass )
300~700℃で溶融・軟化するガラス。電子部品などの封着、被覆、結合などに使用される。主成分がPbOとB2O3からなるものが代表的で、封着後もガラス状態のものと、結晶化するものとがある。
低膨張ガラス(low expansoin glass )
膨張率が非常に小さいガラス。LiO2-Al2O3-SiO2系の低膨張結晶化ガラスはほとんど膨張率が雫で精密機械部品の材料として適している。
多孔質ガラス(porous glass )
気孔率が大きく細孔の孔径分布の均一なガラス。現在はほうけい酸塩ガラスの分相を利用して作られているが、将来、ゾル-ゲル法の応用によって作製することが期待されている。
熱線吸収ガラス(IR absorption glass )
赤外線と可視光線の一部を吸収するガラス。熱吸収板ガラスは通常の板ガラスの成分に微量のFe、Ni、Co、Seなどの金属を添加して製造され、着色透明である。
熱線反射ガラス(IR reflecting glass )
ガラス表面に金属又は金属酸化物の薄膜をコートして赤外線と可視光線の一部を反射させるガラス。高温熱線反射ガラスはTiO2などの薄膜をコートしたもので、室内の冷房負荷を軽減させる。低温熱線反射ガラスはITOなどの薄膜をコートしたもので、室内の熱を逃がさないようにする。
屈折率分布ガラス(gradient index glass )
屈折率が所定の勾配で連続的に変化しているガラス。屈折率が軸方向に連続的に変化しているものと直径方向に連続的に変化しているものとがある。屈折率の勾配形成法としてイオン交換法、CVD法、分子スタッフィング法などがある。
感光性ガラス(photosensitive glass )
貴金属を核生成剤として加えて溶融したガラス。光を照射してから加熱すると、光を受けた部分だけで貴金属のコロイドが生成し、選択的に結晶化させることができる。ガラスの組成を選択し、化学的耐久性の悪い結晶を析出させ、その部分を酸で処理そ除去することによって精密な形状の部品を製造することができる。
フォトクロミックガラス(photochromic glass )
光の照射によって着色し、照射ををやめると元の状態に戻る性質を持つガラス。ハロゲン化銀結晶を含むフォトクロミックガラスは着色の濃度や着色・退色の速度が大きく、また着色と退色を繰り返しても疲労がないなどの特徴があり、実用化されている。
エレクトロクロミックガラス(electrochromic glass )
エレクトロクロミズム(物質の光学的吸収が電流の流れる方向によって可逆的に変化する現象)を利用して透過率や色を変化調節することが出来るガラス。エレクトロクロミック材として非晶質酸化タングステンを使用したものが実用化されている。
サーモクロミックガラス(thermochromic glass )
温度によって色を可逆的に変化させることができるガラス。半導体のエネルギーギャップが温度に依存することから、半導体をガラスにドープすることによって作製することが出来る。
ファラデー回転ガラス(Faraday rotator glass )
磁場の中で光の偏向面が回転する性質をもつガラス。鉛イオンやイッテルビウムイオンを高濃度に含むものが代表的で、光アイソレータや磁気センサとして利用される。
レーザガラス(laser glass )
レーザ発振を行うガラス。りん酸塩ガラスにNdをドープしたものが核融合用の増幅器として利用されている。希土類元素をシリカガラスやふっ化物ガラスにドープしたものは光通信用の増幅器として利用が期待されている。
相変化型メモリ用ガラス(phase transitiontype glass for optical memory )
結晶状態と非結晶状態の間で物性値が可逆的に変化する現象をメモリとして応用するガラス。相変化型光ディスクにはメモリ用ガラスとしてカルコゲナイドガラス薄膜が利用されている。
非線形光学ガラス(non-linear optical glass )
非線形光学特性を持つガラス。硫化カドミウムなどの半導体微粒子をドープさせたガラス。高速応答性が優れているため、超高速の光スイッチなどの材料として期待されている。
生体活性ガラス(bioactive glass )
生体親和性があり、生体中で溶解、反応などの生体組織に積極的に働きかける性質のあるガラス。MgO、CaO、SiO2及びP2O5を主成分とする結晶化ガラスが生体活性のあるガラスとしてよく知られている。
放射性廃棄物固化ガラス(glass for solidification of radioactive waste )
高レベルの放射性廃棄物を多量に溶かし込んで閉じこめ、固体化にするガラス。化学的耐久的に優れていることが要求され、ほうけい酸塩ガラスが有力である。
結晶化ガラス(glass ceramics )
原料を一度溶融してガラス化した後、再加熱によって微結晶を析出させたガラス。ガラスは熱力学的に非平衡状態にあり、液相温度とガラス転移点の間の温度に保持すると微結晶が析出してくる。母ガラスより優れた物性をもったものが実用化されている。
イオン強化ガラス(chemically strengthened glass )
ガラスを高温のアルカリ溶融塩中に浸せきし、界面を通しガラス中のアルカリイオンと溶融塩中に含まれるアルカリイオンとを相互拡散によって交換し、ガラス表面に強い圧縮応力を発生させて強化したガラス。
物理強化ガラス(thermally strengthened glass )
軟化点に近い高温に加熱した後急冷し、表面に圧縮応力層を形成させて強化したガラス。空気ジェットによる風冷強化が広く実用化されている。
精密構造ガラス(precision molding glass )
一様な温度分布を与える高精度のプレスを使用してモールド成形によって作られたガラス。高精度のプレスと優れた金型材料の開発によって、研削や研磨なしに高精度のプレスレンズの製作が可能になった。マイクロオプティックス用の非球面レンズの製作に応用されている。
セラミック基板(ceramic substrate )
ICやLSIなどの機能素子を搭載したり、これら相互の配線や入出力端子などを形成するためのセラミックの薄板。電気絶縁性、高熱伝導性、低誘電率、気密性、低熱膨張率、耐熱衝撃性などが要求される。厚膜用と薄膜用とがあり、アルミナ、ベリリア、ガラスセラミックス、ムライトなどのほか、窒化アルミニウムを用いる。
厚膜用基板(substrate for thin film circuit )
厚膜法によって回路、受動素子を形成しハイブリッドICを実装するための基板、表面の平滑性、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、各種ペーストとの接合力などが必要な特性。一般に純度96~97%のアルミナやガラスセラミックス、窒化アルミニウムを用いる。
薄膜用基板(substrate for thin film circuit )
薄膜法によって配線を形成するためのセラミック基板。真空蒸着、スパッタリングなどによって1μm程度の膜を作るため、高度な表面状態(表面粗さ、ピンホ-ルなど)が必要。一般にアルミナやグレーズ基板、ガラスなどに用いる。
グレーズ基板(glazed substrate )
基板上の薄膜回路や抵抗、容量素子の信頼性を高めるために、アルミナ基板の上にガラス層を設け、表面粗度を改善した基板。軟化点が500~800℃程度のガラス組成を用いる。サーマルヘッド用基板ではグレーズ層を蓄熱用に利用する。
積層基板(multilayer substrate )
ドクターブレード法などによって作製した基板層を多重に積み上げた積層状基板。基板層間には導体、誘電体及び抵抗体を配置して、積層し、これを一体焼結して高密度集積素子を作製する。
高熱伝導性基板(highly thernmal conductive substrate )
アルミナより熱伝導率の大きな物質ベリリア、炭化けい素、窒化アルミニウムなどの基板。ベリリアは熱伝導性に優れ、高周波での誘電特性が良い。炭化けい素は、熱伝導性はベリリアと同等であるが、誘電率が大きいため高周波用には制約がある。窒化アルミニウムは、ベリリアと同等の熱伝導率を示し、熱膨張係数がシリコン素子に近いという利点をもつのでパワーデバイスなどに応用されている。
セラミックコンデンサ(ceramic capacitor )
誘電体がセラミックスであるコンデンサ。BLコンデンサ、積層コンデンサなどがある。
厚膜コンデンサ(thick film condenser )
厚膜印刷法によって、コンデンサペースト(誘電体ペースト)をセラミック基板上にパターニングし、これを焼成したコンデンサ。ペーストとしては、酸化物粉末、ガラスフリットを用いる。
積層コンデンサ(multilayer ceramic capacitor )
セラミック体の内部に複数の相対する電極を配した多層構造をもつコンデンサ。容量/体積の比率を高めたもの。
厚膜抵抗体(thick film resistor )
厚膜印刷法によって抵抗体ペーストをセラミック基板上にパターニングし、これを焼成した抵抗体。
厚膜導体(thick film conductor )
厚膜印刷法によって、導体ペーストをセラミックス基板上にパターニングし、これを焼成した導体。
抵抗体ペースト(resistive paste )
厚膜印刷法によって、セラミック基板上に抵抗体を形成するときに用いるペースト。Pd-Ag系、RuO2系、Bi2Ru2O7系などがある。
導体ペースト(conductive paste )
厚膜印刷法において、セラミックスグリーンシートや焼結セラミックス板、又は素子の上に導体を形成するときに用いるペースト。Ag、Ag-Pd、Au、Pt-Pd系、Ni、Cu系、W、Mo系などがある。
セラミックセンサ(ceramic sensor )
計測対象の状態量や特性値などの物理量(温度、圧力、湿度、ガスの存在、光量など)を別の物理量に変換して記録、伝送、信号処理できるようにする素子。セラミックスでは粒界や気孔と各粒子の半導体、磁性、誘電性などの特性変化の組合せを利用したものが多い。
セラミックヒータ(ceramic heating resistor )
セラミックスの導電性又は半導体性質を利用した発熱体。金属発熱体の使用温度範囲(1200℃以下)よりも高い(最高1800℃)領域で使用できる。炭化けい素、けい化モリブデン、ランタンクロマイトのほかチタン酸バリウムを主成分とするPTCサーミスタを用いたハニカムヒータなどが実用化されている。
セラミックバリスタ(ceramic varistor )
印加電圧が小さいうちは電流の流れが小さく絶縁物に近いが、ある電圧以上で抵抗が急激に小さくなり良導体になる非直線性の抵抗体をバリスタと呼ぶ。セラミックスバリスタの代表例に酸化亜鉛系バリスタがある。電子回路素子の過電圧保護に利用。
PTCセラミックス(positive temperature coefficient ceramics )
チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成分とし、ある温度以上で電気抵抗が急増する、正の温度係数をもつ抵抗素子。positive temperature coefficientの頭文字をとってPTCと呼ぶ。PTC特性は、BaTiO3が強誘電相から常誘電相へ相転移するキュリー温度Tc以上で顕著に現れる。ハニカムヒータなどに用いる。
NTCセラミックス(negative temperature coefficient ceramics )
温度に対する電気抵抗変化が指数的に小さくなることを利用したサーミスタ。negative temperature coefficientの頭文字をとってNTCと呼ぶ。Mn-Co-Ni系酸化物焼結体が広く使われ、各種温度センサとして普及している。
セラミックファイバ(ceramic fiber )
セラミックスを直径十ミクロン又はそれ以下の繊維上に成形したもの。製造法には、融液の吹付けや引張り、粘性溶液の引張りと熱処理、ゾル・ゲル法などがある。断熱材、充填材、ろ過材、吸音材、複合材料用補強材などに利用。シリカ・アルミナ系ファイバが比較的多量に製造されている。
光ファイバ(optical fiber )
屈折率の高いコア層を屈折率の低いクラッド層が取り囲んだ構造をもち、全反射の原理によって光が外部に漏れないようにした光伝搬用ファイバー。屈折率階段型、集束型及び単一モード型とに分けられる。
セラミックフィルタ(ceramic filter )
振動体に圧電セラミックスを用いたセラミックフィルタ。振動体の共振を利用し、これを圧電的に発振及び受振する素子を共振子といい、共振子を組み合わせて特定の周波数だけをろ波するデバイスをフィルタという。一方、セラミックス内に多数の微細貫通孔をもち、気体や液体の透過機能をもつものもフィルタという。
骨充填剤(filler for implanting in bone defect )
骨組織の欠損部又は空げき部に充填することによって、その周辺に可及的かつ速やかに未来の骨組織を再生させることを目的とする材料。多孔体や粒状のヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムなどがある。
ターゲット材(target material )
高周波スパッタリングにおいて膜形成物質をたたき出すために、イオン照射を受けるものをターゲットといい、これに用いる物質をターゲット材と呼ぶ。広くは、イオン及び電子などを照射される物質のことをいう。
透光性アルミナ(translucent alumina )
透光性を示すアルミナ焼結体材料。焼結助剤としてMgO、Y2O3、La2O3などを用いる。高圧ナトリウム放電灯用の発光管やICパッケージの窓材の応用がある。
レーザー用セラミックス(laser ceramics )
レーザー光の発振機能を持つセラミックス。ルビーレーザー、YAGレーザー、Ndセラミックスレーザーなどがある。
粉砕(grinding )
固体を細かく砕く操作。通常、被粉砕物を砕料、粉砕されたものを粉砕生成物と呼び、粉砕生成物の大きさによって粗砕、中間粉砕、微粉砕及び超微粉砕に分ける。
噴霧熱分解法(evaporative decomposition )
溶液を高温雰囲気中へ噴霧し、溶媒の蒸発と溶質の熱分解を同時の行って、直接粉体を得る方法。安定化ジルコニア、フェライト及びスピネル粉体の製造に適用。
イミド分解法(imide decomposition method )
イミドM(NH)xを中間体とし、これを非酸化雰囲気下加熱分解して、窒化物を得る原料合成法。高純度、微細なSi3N4粉末の製造に適用。
共沈法(copreciptation method )
単独では沈殿しない物質が沈殿する物質に伴って同時に沈殿する共沈現象を利用した沈殿方法。原料の合成のほか、不純物の分解除去などに使う。BaTiO3粉末などの合成に適用。
ゾル-ゲル法(sol-gel process )
金属アルコキシドなどを加水分解、重合させて、コロイド粒子が分散した状態のゾルを作り、このゾルから溶媒を蒸発させて流動性のない粒子分散状態のゾルを作り、このゾルから溶媒を蒸発させて流動性のない粒子分散状態のゲルを作り、これを乾燥、加熱してセラミックス粉末やガラスを合成する方法。微量成分の添加、均一混合などの特徴がある。
金属アルコキシド法(alkoxide process )
金属アルコキシドM(OR)nを加水分解することによって酸化物又はその水和物を得る方法。高純度化及び微細粉化が特徴。
液相析出法(liquid phase deposition )
常温下で、けいふっ化水素酸(H2SiF6)の水溶液にシリカ(SiO2)粉末を飽和に達するまで溶解し、ほう酸(H3BO3)を添加した後、ソーダライムガラス基板を浸せきし、基板上にシリカ薄膜を形成する方法。
超急冷法(repid quenching )
溶湯状態の金属、酸化物などを毎秒10E5~10E6Kほどの速い冷却速度で急冷凝固させ、結晶の核生成及び成長速度よりも速くガラス転移温度以下に冷却させることによって、アモルファス材料を得る方法。リボン、線、粉末などの製造に適用。
CVD法(chemical vapor deposition )
粉末及び固体薄膜作製法のうち気体状態での化学反応を含む方法の総称。気体の励起法のよって、光CVD、プラズマCVD、熱CVDなどの方法がある。化学気相成長法ともいう。
光CVD法(photo-induced-CVD )
気体を経由する固体薄膜作製法のうち、気体分子を光によって励起し、光化学反応を起こさせ、生成物及び膜の状態を制御する方法。主に紫外光、真空紫外光を使い、反応の選択性を利用できる利点がある。
プラズマCVD法(plasma-CVD )
プラズマエネルギーを利用して、気体原料を加熱分解させ、所定膜厚又は特性の生成物を基板上に堆積させる方法。
VAD法(vapor-phase axial deposition )
光ファイバー用ガラス母材製造法。SiCl4、GeCl4などの原料ガスを酸水素火炎中に吹き出させて加水分解させ酸化物粒子としてガラス端面に付着、堆積させ、多孔質母材を得る。次に多孔質母材をHeや塩素ガス雰囲気で加熱、焼結させて透明なガラス体(光ファイバ母材)を得る手法。気相軸付け法ともいう。
PVD法(physical vapor deposition )
気体を経由する固体薄膜作製法のうち相対的に物理的状態の変化(化学反応を多くは含まない)を利用する方法の総称。主にスパッタリング、真空蒸着を指す。物理気相成長法ともいう。
蒸着(vapor deposition )
減圧下で原料物質を加熱蒸着させ、基板上に凝縮する方法。
スパッタリング(sputtering )
10~10E-1Paの低圧ガスに電圧を印加してプラズマ状態にしたイオンをターゲットにたたきつけ、ターゲットから飛び出した分子や原子を基板上に堆積させる薄膜形成法。又はターゲットを清浄化する方法。不活性ガスを用いることが多い。
水熱合成法(hydrothermal crystallization method )
水を溶媒とする加圧容器の上下に温度勾配をつけ、下部で原料を溶かし、上部の種子結晶上に新しい結晶を析出成長させる方法。水熱育成法ともいう。
引上げ法(crystal pulling method )
物質をるつぼ中で溶融し、この中に種子結晶を浸して、回転させながら、徐々に引き上げて単結晶成長させる方法。チョクラルスキ法、CZ法ともいう。
チョクラルスキ法(Czochralski method )
引上げ法のこと。
EFG法(edge-defined filmfed growth )
引上げ法の一種で、融液の毛細管現象を利用して、細線、リボンやパイプ状単結晶を育成する方法。
フラックス法(flux method )
適当な無機塩を溶媒として、試料を高温で溶融し、飽和溶液を冷却しながら結晶を析出させる方法。融液析出法のこと。
ブリッジマン法(Bridgman method )
物質をるつぼ中において高温で溶融し、端から徐々に固化させる単結晶作製法。又は電気炉に緩やかな温度勾配を付け、炉温を固定して、るつぼを下降させて固化させる方法。
ベルヌーイ法(Verneuil method )
原料粉末を一定量ずつ酸水素炎の倒立バーナー中に落下させて加熱し、半溶融状態にして種子結晶又は耐火支持棒上に生成した核の上に積らせて結晶を成長させる方法。
浮遊帯溶融法(floating zone melting method )
結晶の一部に溶融帯を作って、移動させることによって、単結晶を育成する方法。 FZ法ともいう。
ガラス結晶化法(glass crystallization method )
結晶化する成分とガラス化する成分を混合溶融後、冷却し、アモルファス状の薄帯を作成する。この薄帯を再加熱して結晶化させた後、ガラス成分を酸洗いなどによって除去し、結晶質の超微粒子粉末を得る方法。
一次粒子(primary particle )
粉体、凝集体を構成する粒子で、分子間の結合を破壊することなく存在する最小単位の粒子。
二次粒子(secondary particle )
一次粒子が複数個凝集して形成された粒子。個々の粒子が他の粒子と凝集せず単独に存在している状態の粒子を一次粒子というのに対応する。
凝集粒子(agglomerated particle )
複数の一次粒子が凝集して一団となって見掛け上独立した粒子集合体。二次粒子ともいう。
造粒(granulation )
粉体、溶融液、縣濁液、水溶液などから目的の形状と大きさの粒状物又は粉体成形物を作る操作。
か粒(granule )
造粒操作によって作られた粒子集合体。か粒化によって原料粉末の流動性を改善。
スラリ(slurry )
細かい粉末が液体中に分散している濃厚な縣濁液。湿式成形に用いる。泥漿、スリップともいう。
成形(forming or shaping )
原料粉体に、所定の形状を付与する操作。
乾式成形(dry pressing process )
水分又は液状有機物の添加量の少ない原料粉末(水分含有量5%以下)の成形法。 一軸加圧成形とCIPとがある。
加圧成形(pressing )
圧力を利用した成形方法。一般に、乾式成形に用いる。
乾式加圧成形(dry pressing )
添加溶媒の少ない配合を金型で成形したり、ラバープレスする成型法。タイル陶磁器をはじめ、各種機能性セラミックス部品の製造に使用、湿式成形に対する言葉。
金属プレス成形(metal mold pressing )
原料となる粉体又はか粒を金型中に充填し、次いで押棒に外力を与えて粉体を一軸加圧し、固化させる成形法。
一軸加圧成形(uniaxial pressing )
粉体を一軸加圧し、固化させる成形法。
CIP(cold isostatic pressing )
原料となる粉体又はか粒をゴムなどの伸縮性をもつ成形型に充填し、それを圧縮容器中で、加熱せずに、圧力伝達液を介し、静水圧によって等方的に加圧して粉体を固化させる成形法。冷間等方圧プレス成形、静水圧プレスともいう。
半乾式加圧成形(semi-dry pressing )
含水量4~12%程度の粉状(団粒)はい(杯)土を鋼製の成形金型に入れ、機械で加圧成形する方法。比較的肉厚なセラミックス製品、例えば、耐火煉瓦、タイルの一部、電気磁器などの機械的成形法として用いる。可塑性、はい土を用いる湿式加圧成形よりも水分はかなり少ない。
ラバープレス(rubber pressing )
CIPにおいて、非処理物の成形型にゴムを用いる方法。
塑性成形(plastic forming )
セラミック粉末に水又は溶剤を混合して可塑性を示すようにしたセラミック原料杯土を調整し、その可塑性を利用して成形する方法。
押出し成形(extrusion )
適度に可塑性を与えた混練原料をシリンダー内のピストン又はスクリューを利用して所定の断面形状をもつ口金からその断面形状を維持したまま押出し後切断して成形体を得る方法。代表例としてコーディエライトによるハニカム構造成形体がある。
射出成形(injection molding )
粉体原料に、熱可塑性又は熱硬化性の成形助剤を添加した後、シリンダー内で加熱して流動性を付与し、シリンダー内のピストン又はスクリューを利用して成形型内へ射出し、型内で冷却又は加熱によって固化させる成形法。
湿式成形(wet pressing process )
水分又は液状有機物添加量の多い原料粉体を成形するときの成形法。シート成形、テープ成形、鋳込み成形、泥漿鋳込み、押出し成形、射出成形などの方法がある。
鋳込み成形(slip casting )
泥漿を石こうなどの鋳込型に流し込み、固化させる成形法。
仮焼(calcination )
原料粉末の組成均一化や、成形体の脱バインダ、強度増加を目的に、最終焼成温度以下の温度で行う予備焼成。
脱脂((1)cleaning (2)dewaxing )
(1)素地表面に溶剤中で洗浄すること。
(2)成形に用いた有機(物)結合剤を加熱除去すること。
焼結(sintering )
粉体系を融点以下又は少量の液相の存在する温度で加熱した場合に、構成粒子間に接合又は合体が起こり、ある程度の強さと特性をもつ体系になる現象。
焼結助剤(sintering aids )
焼結を促進させるための添加剤。Al2O3に対するMgO、SiO2や、Si3N4に対するY2O3、Al2O3、MgOなど。
液相焼結(liquid phase sintering )
液相が関与する焼結。液相の介在によって固相粒子との間に漏れや固相-液相間の溶解-析出反応が生じて緻密化が加速される。陶磁器や窒化珪素の焼結などに広く用いられている。
粒成長(grain growth )
セラミックス粉体が加熱され、構成粒子間の空隙率が減少し、強さが顕著に増加した粉末集合体へ変化する過程(焼結)で構成粒子間の合体による粒子の成長現象。
常圧焼結(pressureless sintering )
1気圧の雰囲気化での焼結法。最も一般的な焼結方法であり、ファインセラミックスの製造に広く適用。
反応焼結(reaction sintering )
特定の原料を組み合わせることによって、加熱中に化学反応と焼結とを同時に行わせる焼結法。例えば、Si3N4ではSi粉末の加圧成形体を窒素に含む非酸化雰囲気下において加熱し、窒化させながら焼結をさせる方法が行われている。
ホットプレス(hot pressing )
カーボンやアルミナなどの熱性型内に粉末又は成形体を充填し、加圧下加熱し、形状付与と焼結を同時に行う焼結法。通常、緻密化が困難な組成物又は急速に緻密化したい場合に用いる。
HIP(hot isostaic pressing )
高温下で圧力媒体を介して等方的に加圧すること。粉体又は粉末成形体を焼結する装置又は操作。熱間静水圧プレス。熱間等方圧焼結ともいう。
カプセル法( encapsulation method )
粉末、成形体、焼結体などの被処理物を金属又はガラス製のカプセルに入れ、その内部に脱ガス後、HIP処理する方法。
パッキング法(packing method )
雰囲気ガスによる被処理物の変質や欠陥発生を防止するため、被処理物をそれとほぼ同材質の粉末中に埋設してHIP処理する方法。
ガス圧焼結(gas pressure sintering )
加圧したガス雰囲気下で焼結する方法。窒化珪素、添加物系の焼結に利用。
雰囲気焼結(atmosphere sintering )
焼結過程での被処理物の変質防止、又は格子欠陥を制御するため、特定の雰囲気中で焼結する方法。酸化されやすい被処理物のときは不活性、又は所定の酸素分圧をもつ還元性ガス中、蒸気圧の高い成分を含むときは、それとほぼ同材質の粉末中に埋設して行う。
還元焼成(reduction firing )
材料が酸化しないような雰囲気中で酸素分圧を制御しながら焼成する方法。
自己燃焼焼結(self combusion sintering )
化合物合成時の発熱反応を利用して、化合物を構成する元素の混合圧粉体(ガスを反応源とするものも含む。)から直接緻密な焼結体を得る方法。
低温焼成法(low temperature firing )
特定の材料を通常焼結する温度以下で焼結させる方法。液相を生成する焼結助剤を添加する方法や、原料粉体の活性を高め、低温で焼結させる方法などがある。
切削加工(cutting )
狭義には、バイトなどの切削工具を用い、切りくずを出しながら行う加工。広義には、加工材に対し、機械的な力を作用させてこれを局部的に破砕し、切りくずを出しながら行う加工の総称。広義の切削加工には、切削加工、ラッピングなどの砥粒加工も含む。
研磨加工(polishing )
固定と砥粒加工、又は遊離と粒加工によって、被加工物表面をわずかずつ削り取っていく機械加工。
砥粒加工(abrasive machining )
硬い鉱物質の微細な砥粒を工具として精密な仕上加工を行う方法。研削と石などの固体と粒による加工法とラッピングなどの遊離砥粒による加工法がある。
遊離と砥粒加工(loose abrasive machining )
砥粒を固定しないで、被加工物を削ったり、研磨したりする加工法。ラッピング、ポリシング、バフ加工、バレル加工、噴射加工、超音波加工などの総称。固定と粒による加工に対比して用いる。
固定と砥粒加工(bonded abrasive machining )
砥粒を適当な結合剤で固めた砥石などを用い、砥粒の切削作用を利用した高能率及び精密加工法。研削加工、ホーニング加工、超仕上げ加工及び研磨布紙加工がある。
バレル加工(barrel finishing )
被加工物と、砥粒又は研磨作業を助ける固形物を円筒状の容器に入れ、それを回転することによって、被加工物と固形物を衝突させて表面を仕上げる方法。
サンドブラスト(sand blast )
微細な砥粒を圧縮空気と共に高速でノズルから噴出させ、これを被加工物表面に当てることによって、砥粒の衝撃力を利用して被加工物表面を加工する方法。
超音波加工(ultrasonic machining )
超音波周波数で振動する工具と被加工物との間に砥粒と加工液を入れ、被加工物に工具を押しつけて、工具の衝撃によって砥粒が被加工物を少しずつ除去する加工法。
レーザ加工(laser beam machining )
10^2W/m2以上のパワー密度のレーザビームを被加工物表面に照射して、材料の表層部を蒸発、除去する加工法。トリミング、スクライピングなどエレクトロニクス部品の加工に用いる。
メカノケミカル加工(mechanochemical polishing )
機械的作用に基づくエネルギーによって、砥粒又は加工液による化学反応を誘起させ、メカノケミカル現象を被加工物の材料除去に応用した加工法。高い精度で損傷の少ない表面を得ることができる。
精密洗浄(precision cleaning )
被加工物の表面に付着している微粒子を除去して高いレベルの洗浄状態を得ること。精密電子部品の生産歩留まりを高めるのに不可欠な技術で、超音波洗浄と化学洗浄とがある。
ツルーイング(truing )
加工機に取り付けられた砥粒の、砥石回転軸に対する砥石作用面の振れ、又は摩耗による砥石の目詰まりや形状公差からのずれ、などの低減を目的に、砥石の形状や表面状態を修正する作業のこと。
ドレッシング(dressing )
ツルーイング後の砥石、又は研削能の低下した砥石において、砥粒を傷めないようにして結合材だけを除去し、加工に必要な砥粒切刃を突出させて、研削可能な砥石を得ること。
加工変質層(affected layer )
加工によって固体表面がその内部と異なる物質、又は性質に変化した層のこと。加工時の熱、圧力、雰囲気などの影響によって、組織、結晶構造、機械的電気的性質などが変化する。
加工変態(machining modification )
加工中の加工熱、加工圧などの影響によって、組織構造、結晶相などが転移(相転移、マルテンサイト変態、アモルファス化など)すること。
チッピング(chipping )
固体の表面又は角が局所的に欠けたり、剥離したりする現象。
表面粗さ(surface roughness )
固体表面の微視的凹凸。表示方法として最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、及び中心線平均粗さ(Ra)がある。
被研削性(grindability )
材料の研削の難易度を示し、ダイヤモンド砥石の研削能力を評価する尺度。通常、研削比(=被研削除去量/砥石減耗量)によって評価する。
分極処理(poling process )
自発分極の方向がランダムな焼結後の圧電セラミックスの自発分極の方向をそろえるため、セラミックスに抗電界の2~3倍の電界を加える処理。室温処理、キュリー点以上加熱処理、油中加熱処理、エージング処理などの方法がある。
分子スタッフィング法(molecular stuffing method )
熱処理によって分相させたガラスを、塩酸に浸せきして易溶性を溶出させて多孔質化し、その中に高屈折率付与元素を含む水溶液を含浸させ、この含浸多孔体をエチルアルコールと水の混合液中で処理後、熱処理して屈折率分布ガラスを得る方法。
中性子線照射法(neutron irradiation process )
中性子線を照射して材料中に種々の格子欠陥を導入したり、材料に損傷を与えることによって材料特性を制御する方法。
相分離(phase separation )
ガラスをガラス転移点よりやや高い温度に加熱したとき、組成の異なる2種のガラス相に分離する現象。ほうけい酸塩ガラスから多孔質ガラスをつくるのに利用する。
失透(devitrification )
ガラス状態から結晶が析出すること。ガラス製造工程で耐火物の浸食物の混入やガラス成分の蒸発によってガラス組成に偏りが生じると失透の原因となる。
脈離(striae )
ガラス内部に存在する筋状又は層状に見える、光学的に不均一な部分。
固相接合(solid state bonding )
液相を介さず固相状態で行う接合。高温高圧加熱による拡散層形式が支配的な拡散・高圧接合、ガス又は固体の種々の反応を利用する反応接合、固体電解質を利用した電圧印加接合、及び摩擦熱を利用する摩擦圧接がある。
拡散接合(diffusion bonding )
固体状態での拡散現象を用いて、固体間を接合すること。
加圧接合法(pressure bonding )
セラミックス間、又はセラミック-金属を密着させ、加圧しながら接合する方法。ホットプレスや熱間静水圧プレスなどを用いて、加圧と同時に加熱することが多い。接合形態には、母材同士を直接加圧接合する方法と、中間層を介在させる方法がある。
摩擦接合(friction bonding )
接合する材料同士を定荷重で押しつけつつ、相対運動を行わせ、摩擦熱で所定温度に到達後停止させ、更に材料同士に負荷を加え接合する方法。
焼きばめ(shrink fitting (shrikage fit、thermal insert) )
熱膨張と収縮を利用して二つの物体に結合する方法。一般に外側に位置する部品を加熱して内径を広げておき、これに内側部品をはめ込んで常温に戻し外側の収縮によって両者を結合する方法。
キャスティング (casting )
(1)セラミックス粉末、有機バインダー、溶剤などからなるスラリ(スリップ)を、ドクターブレード法などによって薄い板状にし、これを乾燥してグリーンシートにする方法。セラミックコンデンサ、圧電体、IC基板などのグリーンシートを作るのに用いる。
(2)鋳込み成形のこと。
チクソトロピー鋳込み(thixotropic casting )
鋳込んだ泥しょうを排泥せずに型の中でそのまま固化させる固形鋳込み成形法。混水量を極度に少なくし、解こう剤、遅凝こう剤、その他でチクソトロピーを過度にし、型を振動させたりして成形する。
振動成形(vibration forming )
チクソトロピー性をもつ原料に振動を加えながら鋳込む方法。原料の配合水分率を低下させることができる。
シート成形(sheet forming )
セラミックスのグリーンシート(テープ)を作る方法。又はシートを用いた成形方法。
ドクターブレード法(doctor blade )
セラミックスをシート状に成形する方法の一つ。キャリヤ(キャリヤフィルム、エンドレスベルト)上に載せて運ばれるスリップの厚さをナイフエッジ(ドクターブレード)とキャリヤとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御できる。
グリーンシート(green sheet )
薄板状に成形したセラミックスの未焼成体のこと。セラミックス原料粉末、有機結合法、可塑剤、溶剤などの混合スラリーをドクターブレード法やカレンダ法で薄板状に成形したもの。
シート積層(sheet lamination )
セラミックスのグリーンシート又は厚膜印刷によって配線の施されたグリーンシートを複数枚積み重ね、熱圧着して一体化すること。積層コンデンサ、積層圧電体、多層配線基板などの製造に使う。
焼成(firing )
成形体中の不安定成分(結晶水、塩類、バインダーなど)を分解、除去し、各成分間の反応を進行させて安定な化合物を形成し、同時に焼結によって収縮、緻密化させて、一定形状、強度の焼結体を得ること。
鋳ぐるみ(いぐるみ)(enveloped casting )
鋳型の中に別の材料を埋め込んで、これを包むようにして鋳物を作ること。別の材料が金属の場合、この金属を埋め金という。
はんだガラス付法(solder glass seal )
はんだガラスを接着材として用いる接合、又は封着技術。はんだガラスにはほうけい酸ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラスなどがある。
銀付け法(silver firing )
銀を主成分とした厚膜ペーストを、印刷、ディップ、スプレーなどの方法によって基板上に塗布し、これを加熱処理してペースト中の無機成分(銀、ガラスなど)の焼結、又は溶融現象を利用して、基板と銀ペーストを接合する方法。
ガラス封着(glass sealing )
封着用ガラスを用いて、ガラス、セラミックス及び金属の相互を気密封着すること。PbO-B2O3-ZnO系、又はSiO2-B2O3-Na2O系などのガラスでカラーブラウン管やIC用アルミナパッケージの封着をする。
酸化物ソルダ法(oxide soldering )
酸化物ソルダを用いたガラス、セラミックス及び金属の接合法。酸化物ソルダは、融点約300℃(PbO系)から、約2000℃(Al2O3、CaO、MgO、Y2O3系など)の高温で広範囲に及ぶ。
メタライズ法(metallize )
厚膜印刷又は薄膜形成法などによって、金属を主成分とする薄い層をセラミックスの表面に形成し、これを加熱して相互に接着させること。気密封着、電極や配線形成に応用され、高融点金属法、金属酸化物法、活性金属法などがある。メタライジングともいう。
高融点金属法(metallizing with high melting point metal paste )
高融点金属(Mo、Wなど)を主成分とした厚膜ペーストを用いて、セラミックス表面にメタライジングする方法。テレフンケン法ともいう。
Mo-Mn法(Mo-Mn metallzing )
セラミック表面に、Mo-約20%Mn混合粉のペーストを塗布し、加湿フォーミングガス(N2/H2)中、1300~1700℃でメタライズする方法。高融点金属法の一種。
活性金属法(active metal solder )
Ti又はZrを含むNi、Cu、Ag系共晶組成の合金をろう材として、セラミックスと金属を高真空中で直接接合する方法。Mo-Mn法では、接合強度が不充分な高純度アルミナ、窒化けい素セラミックスの接合に適する。
コーティング(coating )
塗布法、プラズマ溶射法、CVD法、蒸着法、スパッタリング法などによって物質の表面を異物質の薄い膜で覆うことによって、機械的又は化学的性質の改善を図る方法。
溶射(thermal spraying )
棒状又は粉末状の金属、非金属無機材料を高温の火炎中の送り込み、これを溶融状態の微粒子として噴射し、目的物に衝突させその表面に被覆層を形成する方法。
プラズマ溶射(plasma spraying )
プラズマエネルギーを用いて、溶融状態又はそれ以上にまで加熱した溶射材料の粒子又は粉末を、高速で被溶射物面に吹き付けて、その表面を溶射材料で被覆すること。
フレーム溶射(flame spraying )
可燃性物質の燃焼炎を利用して、セラミック粉末を溶融状態にし基板コーティングする方法。炎の温度(約3000℃)が、プラズマ法に比べ低温である。フレームを高速化したジェット式のものもある。
イオンプレーティング(ion plating )
真空容器内の低圧ガスに電界かけてプラズマを発生させて、これによって蒸発源からの蒸発粒子をイオン化して基板表面に蒸着させる薄膜形成法。
イオン注入法(ion implantation )
イオン化された粒子を電場によって加速してターゲットに打ち込むことにっよて、ターゲットの格子中に新たな元素を加える方法。 主として表面を改質するために用いられる手法。
厚膜法(thick film processing )
広義には、ペースト(インク)状にした粉体を基板上に印刷又は塗布(浸せき)後、乾燥、焼成して、所定厚さ(約数~100μm)と所定形状をもった膜の形成方法。 狭義には、スクリーン印刷法によって、セラミックス基板上に機能素子パターンを作り、これを焼成して電子回路基板を作る方法。
スクリーン印刷法(screen printing )
謄写版と同じ原理によって、所定のスクリーンパターンを、厚膜ペースト(インク)を用いてグリーンシート又は焼結セラミック板上に転写する方法。IC基板の回路配線、コンデンサ及び圧電体の電極や機能素子の形成に用いる。
厚膜印刷法(thick film printing )
スクリーン印刷法を用いて、厚膜ペーストをグリーンシートや焼結セラミック板上に印刷してパターンを形成する方法。厚膜印刷によって形成された回路を厚膜回路という。
印刷積層法(printing lamination )
スクリーン印刷法によって、基板上に性質の異なる厚膜ペーストを交互に繰り返し、印刷することによって積層体を作る方法。 厚膜回路の形成に用いる。
カバーコート(cover coat )
セラミック基板上に実装された機能素子や配線の劣化、機能低下の防止のために、印刷、浸せき法などによって、これらの表面をち密なセラミックスや樹脂の膜で被覆すること。
反射防止コーティング(antireflection coating )
光学材料の表面での反射を低減させ、光透過率を向上させるため表面に薄膜を形成すること。光の干渉を使用したもので、単層又は多層コーティングがある。
粒子径( particle size )
個々の粒子の大きさ。
平均粒子径(mean particle size )
粉体を構成する多数の粒子群を代表する粒子の大きさ。
粒度分布(particle size distribution )
粉体を構成する粒子の大きさの分布割合。粒子径分布の場合、粒子の大きさは長さの単位で表す。
比表面積(specific surface area )
粉体の単位質量当たりの表面積。 通常m2/gの単位で表す。
アスペクト比(aspect ratio )
非等方的な形状の粒子の長径/短径比。
真密度(true density )
空孔を含まない固体そのものの密度。 理論密度ともいう。
粒子密度(particle density )
粒子の密度で、粒子に含まれる閉空間も粒子の一部とみなす密度。
かさ密度(bulk density )
多結晶体、粉体層、成形体で、外気と通じた空孔(開孔)と内部に閉じこめられた空孔(閉孔)を含めた密度。粉体、成形体、焼結体などの質量をそのかさ体積で割った値。
タップ密度(tapped density )
一定条件で容器をタッピングして得られる粉体のかさ密度。
安息角(angle of repose )
粉体層の自由表面が限界応力状態にある場合、その面と水平面との間の角。水平面上に漏斗などから粉体を落下させて角度を測定する注入法のほか、排出法、傾斜法などの測定方法がある。
ゼータ電位(zeta-potential )
液体中で移動する固体の滑り面の電位。ζ電位は電解質の種類と濃度に敏感であり、実質上コロイド溶液の安定性を左右している。セラミック原料の分散系の性質を支配する因子として重要であり、ζ電位の絶対値が大きい分散系は安定である。
気孔率(porosity )
成形体中に気孔が占める体積分率。外気に通じている開気孔と閉じている閉気孔がある。
細孔径分布(pore size distribution )
粒体粒子及び多孔質焼結体中などの細孔径の分布割合。測定には水銀圧入法と気体吸着法などがある。
曲げ強さ(bending strength )
試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の一点又は支点間の中央から左右に等しい距離にある二点に分けて荷重を加えて、折れたときの最大曲げ応力。試験方法は、JIS R 1601に規定。
引張強さ(tensile strength )
引張荷重下で、引張試験片に加わった最大引張応力。通常、最大荷重を試験片の元の断面積で割った値で示す。試験方法は、JIS R1606に規定。
圧縮強さ(compressive strength )
試験片の軸方向に圧縮負荷を加えたとき、試験片が耐えることのできる最大荷重を荷重方向に垂直な試験片の試験前の断面積で除した値。試験方法は、JIS R1608に規定。
硬さ(hardness )
試験片に、他のより硬い物体を押し込んだ際に示す抵抗を表す数値。 ビッカース硬さ試験方法はJIS R1610 規定。
破壊靭性(fracture toughness )
材料の亀裂進展開始に対する抵抗値。材料が全体として弾性変形挙動を示す場合には、不安定破壊発生の臨界条件は、亀裂先端近傍の応力場における応力拡大係数の大きさで決まると考えられ、その臨界値を臨界応力拡大係数という。モードIの応力条件のときの臨界応力拡大係数は記号Kicで表され、これを平面ひずみ破壊靭性という。
予き裂導入破壊試験法(single edge precracked beam method )
予き裂導入試験片の3点曲げ破壊試験のよって試験片の破壊荷重を測定し、予き裂長さ、試験片寸法及び曲げ支点間距離から平面ひずみ破壊靭性を求める方法。試験方法は、JIS R1607に規定。
圧子圧入法(indentation fracture method )
破壊靭性評価法の一つ。試料にビッカース圧子を押し込み、圧痕の周りにできる亀裂の長さから破壊靭性を求める簡便評価法。試験方法はJIS R 1607に規定。
疲労(fatigue )
繰り返し応力によって材料劣化又は亀裂の進展が起こる現象。繰り返し応力下での破断寿命を疲労寿命、亀裂の進展速度を疲労亀裂進展と呼ぶ。
定荷重破断(rupture under constant load )
一定荷重下で、亀裂の進展が起こり破断する現象。 一定荷重下での破断寿命を定荷重破断寿命、亀裂の進展を定荷重亀裂進展と呼ぶ。
クリープ(creep )
非弾性変形が一定応力負荷のもとで時間とともに増加する現象。一般に、クリープ速度は応力及び温度に依存して変化し、材料中の不純物や結晶粒度にも依存する。
ワイブル分布(weibull distribution )
最弱リンク説に基づく破壊確率分布。脆性材料の強さ、金属の疲労寿命、機械や人間の寿命、ソフトウェアの故障など広範囲の統計現象を記述するのに適した分布関数である。ワイブル分布を決定する種々のパラメータのうち特に形状母数mはワイブル係数とも呼ばれ、破壊源の形状や寸法を反映した、強さの測定値のばらつきを示すパラメータである。
放射率(emissivity )
一定の温度での黒体の放射エネルギーに対する物質の放射エネルギーの比。輻射率ともいう。
絶縁耐力(dielectric strength )
絶縁体に高電圧を印加していくとき、電流が急増して絶縁性が失われる現象を絶縁破壊といい、その限界値が絶縁体力又は破壊電圧。また、導電率がおよそ10-8(Ω-1cm-1)以下の場合の電気抵抗値を絶縁抵抗という。
比誘電率(relative permittivity(dielectric constant) )
誘電体を挟む電極板に電界Eを印加するとき、電束密度DとEとの比(D=εE )。真空に対する誘電率をε0としたとき、誘電体の比誘電率εr=ε/ε0で表される。
周波数定数(frequency constant )
圧電体の各振動モードでの共振周波数はそのモードでの音波の伝播方向の寸法に反比例する。この比例定数を周波数定数という。PZT系の材料では1500~2000Hz・mであり、応用部品の寸法設計に利用される。
電気機械結合係数(electromechanical coupling factor )
圧電材料や磁歪材料で電気系と力学系との結合の割合を示す係数。
電気機械品質係数(electromechanical quality factor )
共振の鋭さを示す量。1ラジアン当たり失われる振動エネルギー(内部摩擦)の逆数。
機械的品質係数(mechanical quality factor )
弾性損失の尺度を表す定数であり、振動子に応力を加えた際、応力と同位相のひずみを位相ずれのひずみで割ったもの。
焦電係数(pyroelectric coefficient )
単位体積当たり、電界一定の条件で、単位温度変化が与える分極の変化。
移動度(mobility )
気体、溶液、固体などの中でイオン、電子、コロイド粒子など、荷電粒子が単位電場のもとで示す平均的な移動速度。移動速度はμは電場Eのもとで移動速度VとしてV=μEで定義される。
ゼーベック係数(seebeck coefficient )
二種類の導体(A,B)の一端を電気的に接続し、AB接続点(測温接点T1)と他端(基準接点T2)との間に温度差を与えたとき、ゼーベック効果によって両接点間には温度差及び物質による起電力が発生する。
飽和磁化(saturation magnetization )
物資にかけた磁界を増加していくとその物資の磁化も増加するが、磁界がある程度を超すと磁化の値が一定値となり磁気的な飽和状態になるときの限界。
超伝導転移(superconductive transition )
常伝導から超伝導への転移。この転移は二次相転移であり、秩序・無秩序転移ということもできる。
臨界温度(critical temperature )
多くの金属、ある種の金属酸化物などの物質の直流抵抗のある状態(常伝導状態)から超伝導状態へ転移する温度。酸化物超伝導体は遷移幅が大きいので、電気抵抗が常伝導状態の値から外れ始める温度(超伝導開始温度)、電気抵抗がゼロを示す温度も合わせて用いられる。一般には電気抵抗が50%低下する温度をいう。
臨界磁場(critical magnetic field )
超伝導体に外部から磁場Hを加えたとき、超伝導から常伝導へ変わる境目の磁場。
臨界電流( critical current )
超伝導体を流れる電流を強くしていき超伝導状態が壊れて常伝導状態になる限界の電流の強さ。
マイナス効果(meissner effect )
超伝導体に磁場を加えたとき、磁場の強さが臨界磁場より小さい限りにおいて、磁力線が超伝導体の内部に侵入しない現象。
透光性( translucency )
物質を光が透過する性質。光の吸収、散乱、屈折によって支配される。透光性は直線透過率、拡散透過率、全透過率などの測定によって評価される。透光性セラミックスは、気孔、クラック、介在物を排除する緻密な微細構造制御によって作られる。光学異方性のない結晶性物質の方が優れた透光性を示す。
光透過率(optical transmittance(optical scattering) )
物体へ入射光強度と物体の透過光強度の比率。
光吸収係数(absorption coefficient )
媒質中を光が通過するときの強度の減衰の度合いを表す数。
選択透過性(selective transparency )
ガラスなどの材料の目的波長域の光の透過性。ディスプレイ用コントラストフィルダー、建築・車用熱線反射又は吸収ガラス、太陽熱収熱器、太陽電池用カバーガラス、光学フィルターなどは、それぞれ目的に応じた波長域の光を透過させ、目的以外又は有害な波長域の光を、反射又は吸収させている。
偏光(polarized light )
光波(電気ベクトル)の振動方向が規則的な光。直線偏光、円偏光及び楕円偏光がある。
ベルデ定数(verdet's constant )
透明物質中を磁場に平行に入射した直線偏光が回転する度合を表す数。ベルデ定数の大きいファラデー回転ガラスはレーザー用の光アイソレーター素子として利用される。 回転角をθ、ベルデ定数をV、試料の長さをl、磁場の強さをHとすると、次の関係がある。θ=V×l×H。
複屈折(birefringence )
光学的異方性をもつ媒質に入射した光が振動面と進行速度の異なる二つの光に分かれる現象。応力によって生じる複屈折を光弾性効果、電場によって生じたものを電気複屈折、磁場によって生じたものを磁気複屈折という。
分散特性(dispersion property )
波など振動にかかわる物性値が振動数によって変化する性質。光の分散は屈折率の波長依存性として表されるが、ほかに音波の特性、誘電率、透磁率、弾性率など波動入力に対する応答特性に拡張されている。
アッペ数(abbe's number )
可視域光のガラスの屈折率の分散の度合いを表す数。アッペ数が大きいほど分散が小さく、屈折率の波長による変化が小さい。ヘリウムのd線に対する屈折率をnd、水素のF線、C線に対する屈折率をそれぞれnf、ncとすると、アッペ数νは、次の式で表される。ν=(nd?1)/(nf-nc)。
開口数(numerical aperture )
光学レンズや光ファイバーに入射可能な光の最大入射角を示す量。
散乱損失(scattering loss )
物体に入射した光の強度が、光の散乱現象のよって減少する度合いで、レイリー散乱と、構造不完全性による散乱に分類される損失。光ファイバの伝達損失は、吸収損失と散乱損失から成る。
伝送帯域(transmission band )
光又は電磁波を変調して伝送するとき、変調振幅の大きな減衰を起こさず出力側に伝えることのできる変調周波数の上限。光ファイバの場合、出力振幅の最大値から6dB小さくなるまでの周波数とする。
伝送損失(transmission loss )
光、電気、音などのエネルギーが伝送線路で失われるエネルギーの量。損失の程度は、単位距離当たりの減衰量とそ、次の式で定義されるデシベル(dB)で表される。
暗化特性(darkening property )
暗化とはフォトクロミックガラスが光の照射によって着色又は変色すること。そして暗化特性は、光照射によって低下する透過率の大きさとしての暗化度とその速さとしての暗化速度とを含む。これらの特性は、ハロゲン化物の種類、ガラスの基礎組成、析出したハロゲン化物コロイド粒径などによって影響される。
退色特性(fading property )
フォトクロミックガラスにおいて光の照射をやめると元の無色又は着色状態に戻るが、そのときの退色速度特性。一般にハロゲン化物の種類、ガラスの基礎組成、析出したハロゲン化物コロイドの粒径などによって影響を受ける。
光弾性定数(opto-elastic coustant )
透明物質が応力によって弾性変形を受けて複屈折を生じる度合いを表す数。ひずみの解析に用いられる。応力のない場合と応力のある場合との光路差を△、光弾性定数をC、応力の大きさをF、光の通過距離をIとすると、次の関係がある。△=CXFXI 。
電気光学効果(electro-optic effect )
電場の印加によって、屈折率が変化する現象。屈折率変化が電圧に比例する1次をポッケルス効果、2次をカ?効果と呼ぶ。材料として、PLZT、LiNbO3などがあり、光シャッター、光変調素子、光メモリなどに応用。
磁気光学効果(magneto-optic effect )
磁場中においた透明物体に光を入射したとき、物体からの反射光、透過光の振幅、位相、偏光状態が、元の入射光と異なる現象。この現象にはコットンムートン効果(フォークト効果)、ファラデ?効果、磁気カー効果の3種類がある。材料として、鉛ガラス、Y3Fe5O12などがあり、光アイソレーターなどに適用。
音響光学効果(acousto-optic effect )
印加電圧によって、透明圧電体内に発生した超音波と、圧電体に入射した光との相互作用によって生じる光偏向現象。材料として、TeO2、PbMoO4などがあり、光スイッチなどに応用。
レーザ損傷特性(laser damege )
電気光学物質に、強力なレーザを入射すると、その部分の屈折率が入射エネルギーに応じて変化し、光の散乱、集束、消光比の低下などが生じる現象。集束は熱エネルギーによる破壊を発生させ、また光吸収の大きな不純物が含まれると、同様に熱破壊が生じる。
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